PBLとプログラミング教育等,実践的IT教育に関する研究
防災教育教材に関する評価指標の提案
防災教育教材の評価指標は様々で統一的な評価ができていない。そのため、目的や実施環境に合った教材選択しづらい状態となっている。そこで、本研究では既存の評価指標を組み合わせ、評価指標を作成・改善することで、目的や実施環境に合わせた教材選択を可能にする。
プログラミング学習の基礎的概念理解における相互評価の効果
相互評価は様々な学習について効果があることが知られている。そして、プログラミング学習においても相互評価は行われている。しかし、そのほとんどがソースコードについて相互評価しており、配列やif文、for文などの基礎的概念についてはほとんど見受けられない。本研究では、基礎的概念について相互評価を行い、その効果を調査する。
アジャイル型システム開発PBLにおける非同期デイリースクラムのシステム提案
スクラムを導入したアジャイル型システム開発Project Based Learningの性質上,毎日同じ場所で集まって活動しているわけではないため,デイリースクラムの実施が難しくなるケースがある.本研究では非同期デイリースクラムを行う際に効果的・効率的な実施方法を調査することを目的とする.
ペアプログラミング利用時の学習状況把握支援システムの提案
演習形式のプログラミングの授業では,メンターが導入されることが一般的である.しかし,受講生の数に対して少量のメンターが対応するために,受講生の状況を把握して支援することが困難である.本研究では,メンターが受講生の状況を理解しやすくして,効率的な学習支援ができるようにすることを目的とし,プログラミング導入教育で有効とされるペアプログラミング利用時における学習状況把握支援システムを提案する.
麻雀の役が成り立つ条件の可視化による学習支援システムの開発
麻雀とは、中国を起源とした基本的に 4 人で行うボードゲームで、最初に13 枚の牌を貰い、順に牌を 1 つ取って捨てることを繰り返し、役の条件に則って 14 枚の牌を揃える遊びである。役は約 37 種類あるが、作ることが簡単なものから複雑なものまであり、全ての役を覚えるのは初学者にとって容易ではない。そこで、比較的作りやすい役に特化し、どの牌が役の条件に当てはまっていないかを可視化する支援システムを作成し、麻雀のルール理解を支援する。
耳コピ成果物に対するフィードバックシステムの提案
本研究では,DTMにおける作曲の熟達への主な方法としても知られている「耳コピ」による成果物に対するフィードバックを行うシステムの提案を行う.耳コピとは,何らかの音楽を耳で聞き,演奏や楽譜などの手段を通じて,なるべく聞いたままに再現してアウトプットする行為である.現状の学習行為としての耳コピは,聞いた楽曲をアウトプットする行為に留まるため,主観的なふりかえりで学びが終わってしまう.そこで,耳コピでアウトプットした成果物に対してフィードバックを与えるシステムを制作することで,学習者に客観的な評価からの学びの機会を与え,作曲技術の熟達を支援することを目標とする.
NFCを活用した定量的な時間管理支援システムの提案
本研究では、学習時の時間管理等の重要性に着目している。背景として、具体的な支援方法が不足している。そこで、本研究の目的は、ユーザの時間管理の継続を支援する時間管理支援システムを作成し、実装することである。はじめに無線通信の一種であるNFCとマイコンモジュールを用いてデータを収集する。そして、収集したデータの特徴を視覚的に捉えやすくすることで、システムの利用者に効果的に伝えることを目的としている。この研究により、学生が時間の使い方を学び、時間管理能力を向上させる環境が形成されることが期待される。
e-Learningに対する高い動機づけ維持のための取り組み
近年,情報通信技術の進歩により,e-Learningと呼ばれる新しい学習形態が一般的になっている.e-Learningは,時間や場所を選ばずに学習でき,講師に左右されずに自分のペースで進めることができるため,多くのメリットがある.しかし,学習の動機づけを保つことが難しいという課題もある.一般的な学習において,動機づけを高めるためには,自律性,有能感,関連性が必要だとRyanらによって指摘されている.この研究では,既存のLMS(Learning Management System)に学生の自律性,有能感,関連性を向上させる機能を追加し,高等教育を受けている学生がより高い動機づけを維持できるような新しい手法を提案する.
プロンプト作成の負荷を軽減する生成系AIを用いた学習支援システムの提案
eラーニングでは,フィードバックを行うことによって学習効果を高めるとされているが,手作業で学習者フォトにフィードバックを与えることは負担が大きい.そこで本研究では,学習者の回答に合わせたフィードバックができる生成系AIを用いてフィードバックを行う学習支援システムを提案する.生成系AIの使用に際し,プロンプトの作成によって出力結果が左右されてしまう恐れや問題の答えが表示されてしまう恐れがあるため,提案するシステムでは,プロンプト作成の負荷の軽減や出力結果のフィルタリングを行うこととした.
アジャイル開発を行うPBLチームの心理的安全性を測定するシステムの提案
PBLでアジャイル開発を上手く進めるには,用意されたミーティングでメンバから率直な意見を引き出すことが重要であり,そのためには心理的安全性を確保する必要がある.そこで,本研究ではPBLチームにアンケート調査とミーティングの様子を観察することを組み合わせて心理的安全性を可視化し,チーム状況を検査・改善できるよう支援する.
グループワーク演習におけるTAの机間指導を支援するシステムの提案
TA はグループワーク実施時に各グループを巡回する必要がある.そのため,各グループの進行状況を断片的にしか得ることができず,受講生が求める支援ができない可能性が考えられる.そこで,本研究では各グループの状況を把握できるシステムを導入することで,進行状況に問題のある可能性が高いグループの発見を容易にし,TA に対して声掛けすることを促す.
PBLのためのファシリテータの育成に向けた支援を行うシステムの提案
PBLにおいて,ファシリテータは学習の成功を左右する存在であり,高度な技術が求められる.しかし,その技術を身につける授業や機会は限られている.また,コロナ禍より,オンラインでの進行も必要となった.そこで,本研究はファシリテータ初心者・中級者を対象に,システムを通じて熟練者のような進行を行うための支援・育成を目指す.提案システムは,オンラインでテキストによる議論を行う環境を構築し,学習者の発言をリアルタイムで分析し,議論状況を把握する.そして,効果的な議論を行うための方針や発言内容を提示する.
スマートミラーを用いた自己肯定感向上のためのシステムの提案
日本の若者の自己肯定感は,世界の若者と比べると圧倒的に低い.そこで,本研究では,「化粧」と「褒める」という2つの観点に着目し,自己肯定感の向上を目指す.普段の化粧行為を通じて,自己肯定感の向上を目指すため,スマートミラーを用いたシステムを考案する.このスマートミラーでは,ユーザが化粧をしたことを認識し,それに対し,褒めるというフィードバックを与えることによって,自己肯定感の向上が期待される.
ピアノ中級者向けの学習支援システムの提案
従来のピアノ演奏支援システムの研究では,打鍵ミスや音の長さを提示し,曲をミスなく演奏できることを目的とするシステムが提案されている.しかし,そのようなシステムの多くがピアノ初心者向けのものであり,中級者以上向けの演奏支援システムは少ない.そこで本研究では,ピアノ中級者向けに打鍵ミスや音の長さの提示に加えて,アーティキュレーションや強弱の情報も可視化し,演奏者が楽譜通り正確に演奏ができるようになることを目的とする学習支援システムを提案する.
生成AIを活用したプログラミング演習支援のための
バーチャルTAの提案
2022 年頃より生成AIの活用が社会的に注目され,プログラミング教育においても利用されている.生成AIを用いたプログラミング支援システムではプログラムコードを生成し学生に提供されており,学習者の主体性が損なわれている.また,従来のプログラミング教育では,教員やTA(Teaching Assistant)は学生ごとにつまずきやすいポイントや理解ができていない概念を特定し,それに基づいた効果的な学生指導を行うのが難しい.本研究ではプログラミング支援システムの効果を高める手段の一つとして生成AIを活用しバーチャルTAとなるシステムを開発することで,教員やTAの業務負担を軽減させ効果的な学生指導を行いやすくすることを目的する.
PBLのためのCCPMを活用したプロジェクトマネジメント手法の提案
プロジェクト学習のようなPBL(Project Based Learning)に関する予備調査では、モチベーションに関する問題点が挙げられていた.そこで,本研究ではメンバのやる気やモチベーションのような精神的な側面に寄与できる可能性があるCCPM(Critical Chain Project Management)に注目した.CCPMでは作業ごとに含まれる安全余裕をすべてプロジェクト全体で管理するプロジェクトバッファとし,プロジェクトの進行の遅れの原因となり得る「学生症候群」や「パーキンソンの法則」が引き起こされることを防ぐ.本研究ではPBLのためのCCPMを活用したプロジェクトマネジメント手法を提案し,提案手法のモチベーションへの効果などを測定する.
服装から見た印象と性格のマッチングによる出会いを支援するシステムの開発と調査
私達は限られた情報から印象を形成しており,視覚的情報は第一印象に大きく影響している. 視覚的情報である服装から実際の性格を知ることが出来ればより良い出会いを支援できるのかを明らかにしたい.PythonのOpenCVを使用し,服装とその服装から見た印象について機械学習をさせ,与えられた服装の画像から印象を推定し,提示するシステムの開発を提案する.これにより,服装から見た印象と実際の性格がどの程度マッチングしているのかが判明し,第一印象からの出会いを支援することが出来ると考え,開発・調査をする.
麻雀中級者を対象とした放銃しないための学習支援システムの提案
麻雀はルールが難しい上に経験を積まないと上達しづらい.既存のシステムは麻雀の初学者に向けた役を覚えるためのものとして十分であるが,対戦相手の状態に対応した選択を支援する機能はない.そこで本研究では,対戦相手の状態に対応した選択を考えることに着目し,対局相手がテンパイしているときに相手のアガリ牌を捨ててしまう放銃を回避するためのシステムを作成する.そして,作成した支援システムを中級者に使用してもらうことで,麻雀の上達を支援する.